故 松下 功 Isao Matsushita (作曲・指揮・前代表)
1951年11月23日、東京都に生まれる。東京藝術大学、同大学院にて作曲を南 弘明、黛 敏郎に師事。
1976年、日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽曲)入賞。1979年、ドイツ政府学術交流会(DAAD)給費生として、ベルリン芸術大学にて尹伊桑に師事し、1986年まで当時の西ベルリンに滞在、創作活動を行う。
1985年、メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクール第1 位、1986年、第7回入野賞受賞。
帰国後、東京藝術大学、尚美学園短期大学(現尚美学園大学)で教鞭を執る。「World Music Days」「ベルリン祝祭週間」「アジア音楽祭」等で作品が演奏される。
1996年、北京で「松下 功管弦楽作品演奏会」が開催される。1998年、オペラ《信濃の国 善光寺物語》が長野冬季オリンピック公式文化プログラムとして初演。また長野冬季オリンピック開閉会式選手入場の行進曲《信濃民謡パラフレーズ》を作曲。
2000年、和太鼓協奏曲《飛天遊》がベルリン・フィル の「ヴァルトビューネ・コンサート」で演奏される。同作品は世界各地のオーケストラで演奏され、好評を博している。
2009年、奈良・薬師寺でオペラ《遣唐使~阿倍仲麻呂》第1、2幕を初演。2010年に第3、4幕初演。2016年、第50回仏教伝道文化賞・沼田奨励賞を受賞。
ベルリン時代から邦楽器、書、民族楽器、舞などを作曲に取り入れ、「洋の東西・過去と現代」という4つの方向性の融合を試みていた。アジア各地との交流も深く、1990年以来「アジア音楽祭」等を通じてアジアの伝統音楽・現代の作品を紹介。2000年以降は『祈り』をテーマとした作品を多数発表。
2010年以降は小中学生とのミュージカルの作曲・初演や、藝大21「障がいとアーツ」の企画等で学内外の様々な分野の方々を招いて公演を行った。
アンサンブル東風、カメラータ・ナガノ、文京区民オーケストラ等で長年、指揮・指導を行った。
尚美学園大学教授、東京藝術大学演奏藝術センター教授、東京藝術大学副学長、一般社団法人日本作曲家協議会会長、アジア作曲家連盟会長等を歴任。アンサンブル東風前代表。
2018年9月16日、急性大動脈解離により逝去。2019年3月、東京藝術大学奏楽堂にて追悼コンサートとして、オペラ《長安悲恋》が演奏会形式で遺作初演された。